今日の映画は、こんなイスラエル・パレスチナ問題がこじれている世界情勢にぴったりの1本。この映画は実話がモデルであり、指揮者ダニエル・バレンボイムと米文学者エドワード・サイードが中東の障壁を打ち破ろうと設立したウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団をモデルにしたドラマ。紛争中のパレスチナとイスラエルそれぞれから若者たちを集め、オーケストラが結成されるが宗教や人種がことなる彼らが上手く噛み合うはずもなく、音楽を演奏する前から揉め始める。
さらに、ここでメンバーを募る指揮者は、ナチス親衛隊を両親に持つ世界的なドイツ人有名指揮者。戦後両親が逃げたスイスに当時自分を救ってくれた人物への感謝も含めオケのキャンプを張る。
そんな複雑なメンバーは互いに憎しみ合うが、指揮者の導きにより徐々に人種や宗教ではなく人間同士の本質を認め合っていく。
実話でなければ、こんな話、ありえない!と映画特有のキラキラストーリーに辟易したかもしれないが、実話という強烈なパワーワードの前で事態を飲み込むしかなかった。
これを観て思い出すのは、「進撃の巨人」にある人種対立であり、親や祖父母の時代の憎しみや怒りが、世代に伝えられ終わらない。日本と韓国や中国もそうだが、この負の連鎖はどうやったら断ち切れるのだろう。ユダヤに対する人々への思いとそれを激しい行き過ぎた形で具現化してしまったドイツの当時の政府や民衆。現在も欧州では複雑な関係になっているのだろうか。アジアやイスラエルのそれに比べて、だいぶ解消されているような気もするが・・・
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